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の補助等について問うたものである。このうち設立支援については、世界観光機関(WTO)アジア太平洋事務所の誘致に際して、運輸省が地元の支援組織である「アジア太平洋交流財団」の設立に際して基本財産を供与したほか、滋賀県が国連環境計画(UNEP)国際環境技術センターに対して、地元の支援財団である「(財)国際湖沼環境委員会(ILEC)」内に設置された基金に対して、大阪府及び大阪市が、同じく国連環境計画(UNEP)国際環境技術センターに対して、地元の支援財団である「(財)地球環境センター」設立に際して、それぞれ行っている。また、支援組織への補助については、大阪府が「アジア太平洋交流財団」の運営に対する補助金の交付を行っている。
?「無償あるいは低廉な賃貸料による貸付等施設の提供」については、いわゆる事務所の提供や敷地の提供について問うたものであるが、これについては、世界観光機関(WTO)アジア太平洋事務所以外の全ての国際機関に対して、都道府県、市町村、地元経済界のいずれかが支援している。世界保健機関(WHO)健康開発総合研究センター以外は地元自治体が、世界保健機関(WHO)健康開発総合研究センターについては地元経済界が、それぞれ行っている。
?及び?については、職員の派遣等人的支援についてである。?「研究職員の派遣等人的支援」については、国では、厚生省が世界保健機関(WHO)健康開発総合研究センターに対して、WHO神戸センター諮問委員会委員及び研究アドバイザーを派遣しており、地方では、国連地域開発センター(UNCRD)に対しては愛知県、名古屋市以外にも、岐阜県、三重県、東京消防庁及び北九州市が、国連環境計画(UNEP)国際環境技術センターに対しては滋賀県、大阪市が、それぞれ行っている。
?「事務職員の派遣等人的支援」については、国連環境計画(UNEP)国際環境技術センターについては滋賀県、大阪府、大阪市が、世界保健機関(WHO)健康開発総合研究センターについては兵庫県、神戸市、地元経済界が、世界観光機関(WTO)アジア太平洋事務所については大阪府が、それぞれ行っている。
?「その他」については、国連地域開発センター(UNCRD)に対しては、愛知県、名古屋市、地元経済界が地元支援団体である国連地域開発センター協力会(任意団体)の会員として側面的支援を、世界保健機関(WHO)健康開発総合研究センターに対しては、厚生省が国際医療協力研究の委託を、それぞれ行っている。
以上の結果から、国際機関誘致に際しての国の関係省庁と地方公共団体との連携・協力関係については、比較的はっきりとした傾向が現れているものと思われる。すなわち国が行ったものは国際機関側との誘致交渉、trust fund設置に対する資金拠出がほとんどであり、地方公共団体が行ったものは、施設の提供・補助金の交付等財政的支援や職員の派遣等の人的支援などが中心となっている。なお、最近誘致された国際機関については、地方公共団体自身も、直接国際機関に誘致を働きかけたとの回答が多く見られた。

 

 

 

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